デジタル装具手帳は、下肢装具を利用する方を対象としたフォローアップシステムです。
従来、紙で管理されてきた装具手帳をデジタル化し、さらに「歩行」という日常の変化を記録・共有できる仕組みを加えました。
目指しているのは、
・装具ユーザーが、困りごとを一人で抱え込まないこと。
・医療・介護・装具製作に携わる人たちが、継続的につながること。
装具ユーザーの負担を軽減し、装具をより安心して活用できる環境を提供します。

デジタル装具手帳の背景
装具とは、けがや病気によって低下した身体機能を補い、残された機能を活かすために使われる医療用の器具です。
特に短下肢装具には、制度上の「耐用年数」が定められています。
しかしそれは、「その年数まで安心して使える」という意味でも、「その年数までは我慢して使う」という意味でもありません。
身体の変化や生活環境、使い方によって、装具は想定より早く摩耗したり、合わなくなったりします。

身体に合わなくなってしまった装具
装具が壊れて
(ヒビや割れ)しまった
装具には寿命があります。プラスチックは1.5年、金属支柱は3年が耐用年数の目安となります。

(写真提供:北海道科学大学 佐藤健人 助教)
マジックテープが
汚れている
マジックテープが汚れると、粘着力が低下します。粘着力が低下すると、歩行中に外れやすくなります。

(写真提供:北海道科学大学 佐藤健人 助教)
痙縮(けいしゅく)
による装具不適合
痙縮により筋肉の緊張や足の形が変化すると、装具が合わなくなることがあります。

(写真提供:北海道科学大学 佐藤健人 助教)
装具の裏にある滑り止めが剥がれてしまった
日々使用しているうちに、装具の裏の滑り止めは、摩耗や剥がれが生じてきます。

(写真提供:北海道科学大学 佐藤健人 助教)
装具ユーザーが抱えている悩み
装具が壊れていることに気づかない、装具の状態をいつ、誰に相談すればよいのか分からない、耐用年数や点検の目安を知らないまま使い続けている ——そんなケースが少なくありません。
日常的に装具のフォローアップが行われていない。これが、私たちが向き合っている課題です。
通院の負担
身体的な負担から、必要なタイミングで専門機関へ相談に行くことが難しいケースがあります。装具が壊れた状態だと、歩行が困難になります。
変化に気づきにくい
装具の小さなズレや歩行の変化は、日々の生活の中では、自身で把握することが難しいです。気が付かないうちに装具が壊れてしまっている事があります。
情報共有が難しい
地域の専門職間での情報共有の仕組みがバラバラ。
そのため、装具ユーザーへのスムーズなサポートが難しいです。
地域の専門職がつながり
装具の不安をゼロに
私たちは、装具ユーザーさんと関わる人たちをどのように繋げていくかという点をとても大切にしています。
ユーザーや現場の方々が日々感じていらっしゃる課題に寄り添いながら、少しでも同じ立場・同じ気持ちで装具ユーザーを支えていけたらと考えています。
皆様の課題に向き合って生まれたのがデジタル装具基盤システムです。

多職種をつなぐ「フォローアップ基盤」
デジタル装具手帳は、単なるアプリではありません。
「装具ユーザー」を中心に、地域の支援者がつながるための基盤システムです。
私たちは、装具ユーザーを支える方々について、それぞれ
医療機関・介護事業所 等を「フレンド機関」
義肢装具製作会社を「サポート企業」
と呼び、同じ情報をそれぞれの立場で見る仕組みを整えています。
みんなで支えるやさしい連携モデル

装具の状態、歩行の変化、メンテナンス履歴など、「同じ情報」をそれぞれの立場から見ることで、問題の早期発見と、無理のない支援につなげていきます。
