TEAM紹介

「デジタル装具手帳」は、医療や福祉の現場で実際に装具ユーザーと向き合う先生方やアドバイザーの皆様とともに、作り上げてきました。
医師・理学療法士・義肢装具士・エンジニアなど、それぞれの専門分野を持つ方々が「装具のフォローアップの課題」を共有し、課題解決に向けて取り組んできました。
このアプリには、チーム医療のように異なる視点と専門性が交わり、それぞれの立場から装具ユーザーの未来を考え、支えてくださっている先生方やアドバイザーの皆様の想いが込められています。
このたび、デジタル装具手帳の監修に携わっている先生方や、 アドバイザーとして関わってくださっている皆さまから、温かいメッセージをいただきました。
アドバイザー
デジタル装具手帳の開発にあたり、専門的な視点や現場での経験をもとに、アドバイスをいただいています。
2人の先生方のおかげで初期登録時に装具について学ぶこと、ユーザー様視点での文字の大きさ、歩行撮影時のカウントダウンなど多くの新しい知見をいただき改善を重ねてきました。
また、それぞれの地域での装具に対する取り組み等も伺っています。
社会医療法人 甲友会 西宮協立リハビリテーション病院 医師 勝谷 将史 先生

デジタル装具手帳がついにリリース、社会問題を解決する大きな一歩がここにあります。スマートフォンにインストールすることで装具の情報管理や簡単な歩行分析も可能なため、装具ユーザーだけでなくサポートする療法士や義肢装具士、医師の評価や診療にも役立ちます。多くの装具ユーザー、医療・介護・福祉に従事するサポーターの皆様がデジタル装具手帳を活用することで装具ユーザーの歩行能力を守ります。まずはインストールして使ってみませんか?皆様の活用が装具難民を救います。
義肢装具士 久米 亮一 先生

「デジタル装具手帳」は下肢装具使用者が不具合に悩むことなく、安心して歩けるようにと、開発者の想いが込められたアプリですね。
病院で装具を作ったらすぐにインストールし、フォローを始めていただきたいです。
毎日ホーム画面の「今日の一言」をチェックすることで、装具メンテナンスの大切さがわかります。
日頃の歩行を自分でチェックする機能や、新しい装具を作った時に以前の装具と比較して歩行がどう変化したのかなどをスティックピクチャーを使って分析できる機能がとても役に立つでしょう。
監修
「デジタル装具手帳」は、装具ユーザーの安全な日常生活を支援するために、有限会社テックワークスと北海道科学大学が共同で研究開発を進めてきました。
本アプリの開発にあたって、現場の第一線で活躍される医療従事者や研究者の皆様から、貴重な知見や課題を共有いただき、それらがアプリの機能や設計の根幹となっています。
北海道科学大学保健医療学部理学療法学科 准教授 理学療法士 / 博士(工学) 春名 弘一 先生

下肢装具は、脳卒中などの神経疾患により脚に運動麻痺がある方の歩行を補助するための道具です。ユーザーによって症状や状態が異なるため、個々に適した装具を選ぶことが非常に重要です。適切な装具を使用することで、長距離を安定して歩けるようになり、日常生活の活動範囲が広がります。しかし、下肢装具は自動車と同様に「定期的なフォローアップ(点検・整備)」が必要であり、このフォローアップ体制が不十分なため、不適切な状態で装具を使い続け、深刻な健康被害を引き起こす事例が全国で多発しています。
この問題が全国的に発生している背景は非常に複雑で、これまでもフォローアップ体制の改善に向けて全国各地でさまざまな取り組みが行われてきましたが、根本的な解決には至っていません。そこで、私たちはこの社会課題の解決に挑むため、日本で97%の普及率を誇るスマートフォンを活用した「デジタル装具手帳アプリ」を開発しました。このアプリを通じて、装具のユーザーが適切なフォローアップを受けられる仕組みを構築し、問題の解決を目指します。
北海道科学大学保健医療学部義肢装具学科 助教 佐藤 健斗 先生

「デジタル装具手帳」アプリがリリースされました!
このアプリは、装具を利用するユーザと、装具を管理・提供する方の双方に役立つデジタルツールです。装具や体の状態を記録・共有することで、見落としがちな変化に気づきやすくなり、快適に、適切に装具を活用できるようサポートします。また、装具の管理がスムーズになり、提供側の負担の軽減にもつながっていくでしょう。これは、長年、生活期の装具提供現場が抱えてきた課題を解決するかもしれない、具体的で革命的な一歩だと思います。
このアプリが新たなユーザとの接点となり、より多くの方に装具を適切に活用していただくきっかけになればと思います。「デジタル装具手帳」が、ユーザにも提供者にも新たな価値をもたらすことを願っています。ぜひご活用ください!
システム開発・サービス提供
有限会社テックワークス 代表取締役 鈴木 卓真

装具利用者のための「デジタル装具手帳」というiOSアプリを、4年の開発期間や実証実験期間を経てやっと世の中に送り出すことができました。
はじめて春名先生に出会った時、適切に装具をメンテナンスしないと、知らないうちに思わぬ健康被害になると言う話や動画を見せていただき衝撃を受けたことが私の心を動かしました。
もし眼鏡をかけている私が、眼鏡を壊してしまったら、その瞬間から、社会生活送るうえでとても困ってしまいます。眼鏡を適切にメンテナンスしていなかったら視力が低下したり健康被害を受けてします。
そう置き換えて考えることで、装具利用者にとっての装具も適切に維持管理することや、装具のことを知ることがとても大切だと感じました。
先生たちや当事者たちと関わっていきこの社会課題の向き合い始め、知れば知るほど貢献したいと思いアプリを作り始めました。
この間、ノーステック財団の支援(ものづくり開発・グリーン成長分野推進事業)も受けることができ、試行錯誤や実証実験を重ねリリースにこぎつけました。
これから当事者たちやその周りにいる家族の方や、ケアマネジャーさんたちの目に止まり、少しでも装具利用者の方達が健康的に活動できる世の中を夢見てます!
有限会社テックワークス クリエイティブ・ディレクター 弓野 詩苑

装具は、知らないうちに合わなくなっていたり、気づかない小さな不具合が積み重なってしまうこともあります。
このアプリを作る過程で、アドバイザーの方々や監修の先生方から「耐用年数をきちんと知らせることの大切さ」や「装具ユーザー自身が気づけるきっかけをどう作るか」といった現場ならではの課題を教えていただきました。
実際に装具ユーザーの方と直接インタビューをする機会もあり、「どこで作った装具かわからない」「壊れてもどこに相談すればいいのかわからない」という生の声を聞いたとき、その課題の深刻さを実感しました。
中には、ホームセンターで工具を買って自分で装具を直したり、ガムテープで補強して使い続けている方もいて強い衝撃を受けました。
だからこそ、装具ユーザーのみなさんが安心できる仕組みを作りたい、現場の声に応えるツールにしたいという思いでここまで取り組んでこれました。
日々の生活の中で、この『デジタル装具手帳』が小さな支えとなり、「あってよかった」と思ってもらえる存在になることを願っています。